辻本
時間や場所に囚われず自由に働くことができる、ノマドワーカーに憧れを抱いている方は多いのではないでしょうか?自分もこのノマド的な働き方に憧れてフリーランスになった内の一人です。
そこでこの記事では、現役のノマドワーカーである私が、ノマドワーカーとして働くメリットやデメリット、ノマドワーカーに向いている職種について解説していきます!
ノマドワーカーってどんな働き方?

ノマドの語源はフランス語で、遊牧民や放浪者を意味する言葉です。最近では本来の意味から派生し、時間や場所にとらわれずに働く人、もしくはそういった働き方を意味する言葉として使われるようになりました。
また、上記のように働く人をノマドワーカーと言ったり、ノマドするのように動詞として使われることもあります。
辻本
ノマドとフリーランスはよく混同されますが、フリーランスでも会社に常駐する人もいるため、「ノマド」=「フリーランス」とは必ずしもいえません。
繰り返しになりますが、ノマドは、フリーランスや会社員に関わらず、働く場所や時間が自由な人・働き方を指しています。
ノマドワーカーとして働くメリット

ノマドワーカーとして働くメリットは以下の通りです。
それでは、順に見ていきましょう。
働く時間が自由
ノマドワーカーは、仕事をしている時間(時給)ではなく、成果物に対して報酬が支払われる業務委託契約を結んでいることが多いので、基本的に働く時間は自由です。
辻本
働く時間が自由になると、自分の集中力の波に合わせて仕事ができるので、かなり生産性が上がりました。
働く場所が自由
ノマドワーカーは、アルバイトや派遣、会社員とは違い、出社義務がありません。ほとんどの場合、自宅や近くのカフェ、コワーキングスペースが職場になります。
働く場所が自由になることで、朝の満員電車に揺られることや、冬の寒い朝に外出する必要がなくなります。通勤時間は人の幸福度に大きく影響すると言われているので、通勤という概念がなくなれば幸福度はかなり上がります。
辻本
人間関係のストレスが少ない
ノマドワーカーは、基本的に一人組織なので、上司や部下、同僚などの人間関係がありません。
最近では、転職する理由の9割が上司や部下、同僚との人間関係が原因といわれていますが、多くの会社員が抱える人間関係のストレスはノマドワーカーにはありません。
多少はクライアントや仕事仲間との付き合いはありますが、折があわない場合は、すぐに人間関係をリセットできます。会社員ではないので、キャリアを傷付ける心配もありません。
ノマドワーカーとして働くデメリット

ノマドワーカーとして働くデメリットは以下の通りです。
それでは、順に見ていきましょう。
社会的信用が低くなる
ノマドやフリーランスは、比較的新しい働き方であるため、賃貸やクレジットカード、ローンなどさまざまな審査で会社員よりも不利な傾向にあります。
辻本
また、私はノマド家というフリーランス向けのシェアハウスを運営しているのですが、ほとんどの方が賃貸審査に通らず、シェアハウスを検討しはじめたとおっしゃています。
自己管理力がないと怠けてしまう
これはノマドワーカーあるあるなのですが、自宅やカフェなど人の監視がない場所で仕事をすると、すぐにYoutubeやSNSを開いてしまうかと思います。ノマドワーカーといえど、納期がある仕事が多いので、自己管理能力がないとクライアントからの信頼を失い失注に繋がってしまうことがあります。
一方、会社員はオフィスに出社し、同僚と会話したり会議に参加したりすることで、自然と仕事へのモチベーションが湧いてくることもあります。
また体調を崩した時は、会社員であれば同僚に任せることができますが、ノマドワーカーは自分で対応しなければなりません。自分の健康とモチベーションをしっかり維持できる人じゃないと、ノマドワーカーには向いていないといえます。
将来への不安がつきまとう
老後の最低日常生活費は月額で平均22.0万円、ゆとりある老後の生活費は平均34.9万円といわれています。
会社員や公務員は、厚生年金を含めた約15.6万円/月の年金と、退職金を受け取ることができるので、老後の資金についてはあまり心配する必要はありません。
一方で、フリーランスが受け取ることができる国民年金は、約6.5万円/月(2023年時点)で退職金はありません。なので、老後のことを考えると、貯金や収入の面で常に不安がつきまといます。
辻本
ノマドワーカーに人気の職種・仕事5選

この章では、ノマドワーカーとして独立した際の職種・仕事選びを間違えないために、これから需要が高まる職種・仕事を現役のノマドワーカーである私が厳選してご紹介します。
別記事「フリーランスの平均年収は?年収1000万円を目指す方法を解説」でも解説しましたが、努力の方法さえ間違えなければ、どの職種でも年収1,000万円を目指せます。ノマドワーカーとして独立を考えられているか方は、ぜひ参考にしてみてください!
それでは、順に見ていきましょう。
Webエンジニア

働きやすさ | リモートOKな案件が豊富(常駐案件は高単価) |
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平均年収 | 636万円 |
必須スキル | HTML / CSS / JavaScript / PHP / ネットワーク/サーバー等 |
案件獲得方法 | クラウドソーシング / フリーランス専門エージェント / Web制作会社・広告代理店の下請け |
ポイント | 上流工程の仕事を巻き取ることで年収UP |
フリーランスエンジニアの年収相場は520〜1080万円です。最近ではエンジニアの人手不足が続いており、単価相場は上昇傾向にあります。
一口にエンジニアといっても様々な職種がありますが、最近ではWordPressエンジニアやアプリケーションエンジニアとして独立される方が多いです。
フリーランスエンジニアの働き方としては、大きく常駐型とリモートワーク型の2つに分けることができます。一般的に常駐型で働くフリーランスが多いですが、最近では、リモートワーク可能な案件が増えてきています。
Webデザイナー

働きやすさ | リモートOKな案件が豊富 |
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平均年収 | 360万円 |
必須スキル | Photoshop / Illustrator / HTML / CSS / JavaScript / jQuery等 |
案件獲得方法 | クラウドソーシング / フリーランス専門エージェント / Web制作会社・広告代理店の下請け |
ポイント | コーディングやディレクション業務を巻き取ることで年収UP |
フリーランスのWebデザイナーの平均年収は300~400万円です。
Webデザインの単価は、実績がまだ少ない場合、LPデザインだけの業務で1件2万〜5万円という単価感になります。構成やブランディングの提案などもできるようになると、LP1件あたり15万〜25万円の単価、時給換算すると3,000~4,000円相当になる仕事も受けられるようになります。
項目 | 単価相場 |
バナー制作 | 5,000円〜 |
ロゴ作成 | 1万円〜 |
サイトデザイン | 5万円〜 |
コーディング込み | 10万円〜 |
Webデザイナーは、Webサイトの構築に企画段階から関わり、Webサイトのコンセプト設計やワイヤーフレームの作成、コーディングなどの作業を通してWebサイトを構築する職種になります。
WebディレクターやPMの指示のもと、ロゴやバナーなどのグラフィックスの作成やデザインカンプの制作を担当するケースが多いです。AdobeのIllustratorやPhotoshop、Figmaなどデザインソフトの編集スキルが求められます。
在宅ワーク可能なフリーランス案件が豊富なので、女性(特に主婦)に人気の職業です。制作現場の中でも、特に女性比率が高いのが特徴です。
動画クリエイター

働きやすさ | リモートワークがメイン |
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平均年収 | 406万円 |
必須スキル | 企画・撮影スキル / 動画編集スキル / 動画マーケティング(YouTube等) |
案件獲得方法 | クラウドソーシング / 動画制作会社の下請け |
ポイント | YouTubeチャンネルを1から立ち上げてグロースさせた実績があると単価が上がりやすい |
フリーランスの動画クリエイターの平均年収は約406万円です。動画編集は、動画1本あたりの単価で計算されることが一般的です。単価は動画編集者の実力や実績、クライアント側の予算、作業範囲、動画のボリュームによって左右されます。
例えば、YouTubeの案件の相場感を見てみると、動画1本あたりの報酬は1万円〜5万円です。企業のPR動画については相場感も変わり、10万円以上の単価となることもあります。
項目 | 単価 |
企画構成 | 1万〜5万円/本 |
ディレクション | 5万〜10万円/月 |
台本作成 | 1万〜5万円/本 |
撮影 | 5万〜30万円/本 |
編集 | 1万〜20万円/本 |
ナレーション | 5万〜10万円/本 |
企業がコーポレートサイトやサービスサイトを立ち上げるのは当たり前のことですが、最近ではそれと同じように、企業がYoutubeチャンネルやInstagramのアカウントを立ち上げることも当たり前になってきました。
その影響で、動画編集のニーズがかなり高まってきており、人手不足の状態が続いています。実際に、クラウドワークスのサイト内検索で「動画編集」と検索すると、約9,800件の案件が見つかりました。
Webライター

働きやすさ | リモートワークがメイン |
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平均年収 | 300万円(文字単価1円〜5円) |
必須スキル | Webライティング / SEO / WordPress / アクセス解析 |
案件獲得方法 | クラウドソーシング / SNS / Web制作会社・SEO会社の下請け |
ポイント | SNSのフォロワーが多いと単価が上がりやすい |
フリーライターの平均年収は約300万円です。3人に1人が200万円未満であり、稼げる人と稼げない人の二極化が顕著な職業です。
年収 | 割合 |
200万円未満 | 32.0% |
200〜400万円 | 26.9% |
400〜600万円 | 21.5% |
600〜800万円 | 8.2% |
800〜1,000万円 | 5.5% |
1,000〜1,200万円 | 2.3% |
Webライターの報酬形態としては、文字単価で受注するケースが一般的です。文字単価とは「1文字〇円」といったように、1文字あたりの単価が設定される報酬形態です。
一般的に「初心者はまず1文字1円の案件を受け、2円の案件を目指そう」とよく言われます。文字単価3円からは高単価案件と呼ばれ、5円を超えると時給換算で5,000~1万円台になることも見込めます。
辻本
また、Webライターには様々な仕事があり、LPのセールスライティング、メルマガ、電子書籍、LINE公式アカウントなど、Webライティングの仕事は無数にあります。
メディア運営を突き詰めるなら、Webディレクターとなるのも1つの選択肢です。優秀なライターを組織化して企業のメディアのアクセス数を伸ばせるようになれば、受注の単価も高くなり規模も大きくなります。
ブロガー・アフィリエイター

働きやすさ | 働く時間と場所の縛りなし |
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平均年収 | 390万円(専業アフィリエイター) |
必須スキル | Webライティング / SEO対策 / アクセス解析 / ASPとの折衝 |
案件獲得方法 | ASPへの登録 |
ポイント | クライアントワークでSEOコラム制作を受託することで収入が安定化する |
ブロガー・アフィリエイターの中でも、専業で稼いでいる方の平均年収は370万円~485万円と言われています。月5万円以上稼げる方が全体の5%と言われていますが、中には年収1000万円以上稼ぐブロガー・アフィリエイターもたくさんいます。
ブロガー・アフィリエイターの収入はかなりピンキリですが、一つ言えることは、書いた記事が検索エンジンで上位表示されるまでは、早くても3ヶ月ほどかかるので、かなり根気が必要な職業になります。

ノマドワーカーに必要な持ち物

上記でご紹介した4つの職業は、基本的にパソコンとスマホで完結します。なので、パソコン、スマホ、Wifi、充電器の4つがあればどこでも仕事できます。
多くの場合、フリーWi-Fiが利用できるコワーキングスペースやカフェで仕事をすることになるので、Wifiは不要かもしれません。
このように、ノマドワーカーに必要な持ち物は少ないですが、クライアントと連絡したり、スケジュールを管理をしたり、会計処理をする際に登録しておくべきサイトやサービスは複数あるので、詳細を知りたい方はぜひ以下の記事をご覧ください。

ノマドワーカーになる前に準備すべきこと

ノマドワーカーになる前に準備すべきことは以下の通りです。
それでは、順に見ていきましょう。
最低限生活費を稼げるようになっておく
おそらく、ノマドワーカーになった際の1ヶ月の生活費は、
家賃 5万円
食費 3万円
年金 1.5万円
健康保険 1.5万円
水道光熱費 1万円
携帯 0.5万円
くらいで、トータル約12万円くらいになると思います。これにプラスαで所得税と住民税の支払いが発生します。所得税と住民税の総額がどのくらいになるか知りたい方は、個人事業主のかんたん税金計算で簡単に計算できます。
なので、目安として副業で10万円以上稼げていると、精神的にも安定してノマドワーカーとして独立できます。
信用を必要とする契約を済ませておく
ノマドワーカーになる準備として、一番最初に取りかかるべきが、このサラリーマンという信用があるうちに色々な契約を済ませることです。
前述の通り、ノマドワーカーの社会的信用は、サラリーマンと比較するとかなり劣ります。
それゆえ、クレジットカードが作れなかったり、マンションの契約が通らなかったりします。(通ったとしても膨大な書類を要求されます)
開業届・青色申告承認申請書を提出する
国税庁のサイトには「事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出してください」とあるので、独立したら早めに提出する必要があります。
開業届を出すことによって、社会的信用を得られたり、節税効果の高い青色申告が行えるなど得られるメリットは大きいです。
開業手続きは近くの税務署に行き、「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類を提出します。僕の場合、1分ほどで手続を終えることができました。
最後に
以上、ノマドの意味やノマドワーカーとして働くメリット・デメリット、ノマドワーカーにおすすめの職種についてご紹介しました。最後までご覧いただきありがとうございます。
・働く時間が自由
・働く場所が自由
・人間関係のストレスが少ない
・社会的信用が低くなる
・自己管理力がないと怠けてしまう
現在会社員の方で、これからフリーランスになるための準備を始められる方は、以下の記事をステップ①から順に実践されることをおすすめします。

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